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25000アクセス記念企画
森茉莉と食の描写
どうも。25000アクセス記念企画っす。まいど森茉莉サイトを覗きに来てくれてありがとうございますです。
いろいろあって遅くなっちゃったけどやーっとアップできましたっす。待っててくれた人いたらスマン。
今回は森茉莉の作品の中に出て来る食事風景のメニューなぞをちょっとピックアップしてみました。といっても食に関しては結構な量を書いてる人なのでとても全部はフォローできまへん。とりあえず第1弾としてワタシが森茉莉にハマった切っ掛けでもある例の美少年3部作について。今回は長いっす。ずーっと下長いので心して見て下さい。
つーことで以下『恋人たちの森』『枯葉の寝床』『日曜日には僕は行かない』の3作から抜粋。まああとは追々攻めていきませう。(次回のネタとは言いまへんが)
そうそう。森茉莉の作品のメニュウの一部を再現して、おつまみのページにアップしてるBar ストラスさんのところを紹介しておきます。プロが作るとやっぱ違うわ。ワタシの貧困なボキャブラリーを補う意味でもオススメです。
では次回、このサイトが続いていたら30000アクセス記念企画で逢おう! <大丈夫か?
森茉莉はグルウメだったんで(口卑しいとか食い意地が張ってるとも言う)小説の中でもものを食うシーンがいっぱい出てきますニャ。茉莉は和食も洋食も好きだったようですが、自分の小説の中で美少年に食わせるのはオシャレな洋食系ばかり。間違ってもお茶漬けかっ食らわせたりはしまへん。ほらー。フランスかぶれだからー。
ではまず『恋人たちの森』から。
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「今日は時間がないんだが一寸出よう。腹は? 何か食うか?」
「モナのサンドウイチ食っただけだけど、なんでもいいや」
「今日はいやに穏しい(おとなしい)ね」
そう言いながらギドウは先に立って、歩き出した。
「マカロニはどうだ」
「うん」
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などと2人はマカロニ料理の店に行きますな。今で言うイタ飯である。で、そこでキヤンテイなんか呑みます。うわあお。スノッブ。
パウロはまだ19歳2ヶ月の子供なんで秘密の旅行に行く時は、列車の中でお菓子も食います。
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「これ、あれでしょう」
「うん」
パウロは明治屋の紙包みを解き、アルモンドの実をチョコレエトで包んだ(くるんだ)菓子の箱を出した。後に寄り掛って
チョコレエトを口に入れる。次の一つを持って、眼で訊く。ギドウは首を振った。
「酒場(バア)は開いてるんだろう? まだ」
「行く? 咽喉乾いてるんでしょう?」
「まだいいよ」
「ウィスキイ?」
「諾(うん)」
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いいなあ。チョコレエト。明治屋ってのもいいっす。パウロが行く?って言ってるのはバアのスペースのある車両へですな。ちなみに旅行の行先である「奥白」ってのは鎌倉のことです。最初は鎌倉って書いたんだけど、でも茉莉は鎌倉に行く列車には食堂車なんかないって悩んで、担当編集者は小説ですからって言ったんだけどやっぱり気になって架空の名前にしたんだそうな。別にいいのに、たまに小心者になるところが森茉莉。
で、ギドウの別荘で3日過ごした後、海岸のホテルに移る。何を食ってるかというと
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「明日から講習ね。午後だけだけど……」
壜ごと持って来させたキャヴィアをフォオクで口に運びながら、パウロは不平そうに言ったが、一方胸の中でギドウを誇る気持ちが膨らんで、いた。
(中略)黒い男に充分に示威をやったと見極めると、二人は顔を見合い、親しげに食事を始めた。ギドウがキャヴィアをパウロの麺麭(パン)に塗ってやる。パウロは氷の上に載ったメロンをギドウにやる。パウロは凍らせたグレエプに替えたのだ。
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壜ごと持ってこさせたキャヴィア! ななな何と贅沢な! 中学生だったワタシはこれですっかりキャヴィアに憧れてしまったのだ。お小遣い貯めて横浜の輸入食品店で(雰囲気じゃろ?)キャヴィア買ってきてパンに塗って食べたんだよーん。しょっぱかったけどそれはそれで満足してたのさ。パウロの気持ちわかるーとか言ってな。
しかしワタシは大人になってキャヴィアにいろんな種類があることを知る。ベルーガ、アセトラ、セヴルーガ。ワタシの食ってたのはセヴルーガがいいとこ。でもギドウの持って来させたのはきっとベルーガなんだろうな。ベルーガは現在、500グラム150000円ほどします。はははは。……誰が食えるんじゃい!! ちくしょー、パウロめえぇぇ!
羨ましいので次、『枯葉の寝床』に行く。
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「君何か食うだろう」
そう言うと男は右側の扉に消えたが、やがてボルシチ式の肉汁(スウプ)の入った緑色の瀬戸物の小鉢位あるコップと、大きな銀の匙、厚切りのハムと萵苣(ちさ)を挾んだ烏麦の大きなパンのサンドウィッチ、熟したオレンジ、茘枝(ライチ)、
浅間葡萄を溘れる程入れた籠、ミルク、なぞを運んで卓子の上を横手に払い、白いナフキンを敷いてそれらを並べて顎で
すすめ、自分は棚のウイスキイを下ろして紅茶茶碗に満たした。
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これが何かというと、横恋慕されたレオが黒い男に拉致されて家に連れて行かれた時に出されるメニュウなのである。お耽美だなあと思うのだが、よーく見ると案外変哲もないスープとサンドイッチじゃん。やっぱりこの漢字遣いにゃダマされるよなあ。
で、レオはどうするかというと
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「遣り給え。僕はもう街で遣ったんだ」
俄かに空腹を覚えたレオは男と対い合った長椅子にかけ、スウプの匙をとり上げた。一度伏せた暗い眼をチラと上げ、酒の茶碗を傾けながら自分に目をあてている男を見、スウプを半分程飲み、サンドウィッチに白い歯をあてて、これを半分食った。それからミルクを全部飲み、浅間葡萄を五六粒食い、ナフキンで口を拭いた。
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食うのかい! 毒が入ってるかもしれないじゃないか。警戒しながらも空腹には勝てないレオ。お前は子供か! ……子供だな。
で、レオはパジャマを渡されて寝室に閉じ込められる。いくら上等で仕立てが良くても、攫われて来てパジャマに着替えるってのはどういうつもりだ?? 着るな、そんなもん!
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鏡に映っているので気づいた西班牙(イスパニア)種かなにからしい紅味の濃い蜜柑のなった小さな灌木の植木鉢に近づいて、扉の方を偸みみてから一つをもぎり齧ってみた。ものすごく甘美(あまい)のに目を輝かせ皮を丁寧にむいたが、むさぼりながらも、その口元を鏡に映してみて、白い眼差しを投げる。
(ギが言ったSanguine《サンギン》ってのと違うかな?)
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拉致されてんのに、この始末である。いや森茉莉の作品の登場人物はよく食うよな。茉莉が食べることにすごく興味があったんだと思うけど。子供って食ってばっかりいるしなあ。このへんの描写でレオが卑しい子供だってのがよくわかる。
レオはこのオレンジ盗み食いの罰によりこの後黒い男に鞭で打たれてしまうのである。オレンジ食ったことは相手に鞭打つ口実与えただけなのである。ちなみに食いながらチラチラ鏡見てるのは、『見たこともないような、ひどく美しい自分』が映ってるからである。ナルシストだよなあ。マゾだし。
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ギランの作ったサアジンをならべた上に玉葱の輪とトマトの薄切りをのせ、ソースをかけた料理を前に、寝台(ベッド)に
くっつけておいた卓子にギランと向き合い、レオは硝子に似た黒灰色の眼に、罰をせられた子供のような哀れな蔭を宿して、ギランを見た。
「僕、たべたくないや」
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レオが拉致されて鞭で打たれたことがバレて、ギランはどんどん精神的に追い込まれていくんですな。それは嫉妬かりゃー。レオが食いたくないっていうのも甘えです。サアジンってのも子供の頃は何だろうと思っていたよ。サーディンなんだな。
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レオは眼を伏せ、フォオクをとってサアジンの一つを気のないようすでつき刺した。そのフォオクの手を卓子においてギランの顔を窺うと、怯えて烈しく瞬き、涙が頬を流れ、唇の隅の窪みの上に止まる。
「ギはもう僕を愛してないの?」
レオはフォオクを投げすて、眼の辺りを掴むように両手でかおを蔽(おお)い、ひそんだ片方の眉だけを見せ、切なげにすすり泣くのだ。
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ほーら、嘘泣きだ嘘泣きだ。流石にこの時は食欲はなさそう。
そして運命の朝。レオは1人で朝飯を食います。サディスチックなギランの愛撫から解放された、久々の自由な時間っす。
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(略)珈琲と麺麭を運び、寝台(ベッド)の中で自堕落な食事を、はじめた。乾酪(バタア)をぬった麺麭にキャヴィアを充分に塗りつけ、腹ばいになり、ギランが投げて行った新聞を開き、その上に乗りかかって、麺麭を食い、珈琲を飲んでいたが、ふと息をとめて、新聞の一点に眼を凝らした。(中略)ついでにギランが食ったらしいハムの塊にナイフを入れ、――ギランを真似てナイフを持った片手でえぐるように取るのである――深く切りとって、和蘭(オランダ)チイズの片(きれ)と一しょに持って寝台にかえった。再び腹這いになったが(中略)麺麭を持ったまま枕に横顔をつけて俯伏せになり(中略)寝台に腰をかけ、ハムの残りとチイズを食いながら新聞の写真版や、女優の顔なぞを詰まらなそうに眺め、食い終わると新聞を床に投げようとしたが気がついて畳み、寝台の上においた。
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中略が多いけど許してくれ。これが何かというと、黒い男ことオリヴィオが警察に捕まって(ヘロイン所持)新聞やTVに出てるのを見てレオが怯えながら朝飯食ってるとこ。まーたキャヴィアだよ。この成金め。ガキが朝飯に食うもんじゃねえぞ、畜生。ギドウ甘やかしすぎ。ふんだ。つーか、オレにも食わせろ。
麺麭とか乾酪って漢字もスゴイよな。乾酪はどこのだろう。小岩井とかじゃなくてやっぱり輸入モノ? 乾酪とかチイズって輸入物は高価いっす。最近ワタシ、トラピストバター買って愛用してますの。ほほほ。これって発酵バターでさ、そこはかとなく乳酸菌の匂いがして、麺麭に塗ったり料理につかうと微妙な味わいになるんだけど、今は誰もそんなこと聞いてないわな。
ちなみにこのベッドの中で食べる(レオはベッドの上に寝そべって食ってるらしい。うわあお。茉莉の分身)朝飯が、レオの生涯最後の食事になります。この後、レオはギランに森で撃ち殺されちゃうの。猟銃で。あーあ。
で、レオが死ぬと(つーか、殺すと?)ギランはもう生ける屍状態で
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食うものも、必要で食うといった感じで、グルウメだったギランの面影は、ここにもない。
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という風になります。そんでやっぱり自分もレオの後を追って自殺しちゃうの。やっぱ人間食い気がなくなったらオシマイだねえ。正直だけどさ。
最後『日曜日には僕は行かない』っす。これは主人公の2人がどうやら日本人らしくて(上記2作、年上はハーフ。レオもどうやらクウォーターっぽいし)日本人になるとあんまりもの食べるシーンとか書かなくなるのね。夢が現実に近づくからだろーか。杉村達吉と伊藤半朱。半朱はハンスと読むのさ。
まずは行き付けの喫茶店「ベラミ」で珈琲を飲むところ。
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(略)少時(しばらく)すると淹れた珈琲をシェーカアに入れて、氷と一緒に振る音がする。半年前と同じである。達吉は、氷を入れて急激に冷たくした砂糖なしの珈琲を、愛用していた。半朱はそれに、好きなだけ卓子の砂糖を入れるのである。
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このアイスコーヒーは本格的っぽいよな。氷の上に注いで作るアイスコーヒーってのあるけどさ。あとは
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(略)そうして「ベラミ」でトオストに持参の果物なぞで何時間も遊んでいることもあるが、大抵は三丁目から切通しを下りて山下に出て、池の端で麦酒(ビール)を飲むか、酒場(バア)の「エデン」に入る。そうしてタクシイで帰るが、昼間で天気さえよければ弥生町の坂を登って東大へ出て、達吉が、半朱を送っていく。これが二人の二年間の散歩道で、あった。
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ね。結構淡々としてるっしょ?
「三時だよ。達吉製のコルニッションでも食うか? 塩漬肉(ハム)と乾酪がある」
とかね。コルニッションって何? コルニッションって。何語? フランス語??
乾酪って書いてこっちじゃチイズって読ませるのね。『枯葉の寝床』じゃバターってルビふってたのにー。そらどっちも牛乳からできてて、作り方も同じようなもんだけどさあ。ホントにこういう字書くの?
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達吉はボオイを呼んで、鶏の清汁(コンソメ)と冷肉(コオルドビイフ)に萵苣のサラドゥ、乾葡萄入りの温いプディングに、果物と珈琲を誂えると、手帖を出して宴会の予定か、締切りの日程でも書き込むような、生真面目な顔つきを作り、走り書きで、喜与吉が例のことを知らされていないと思うと、いうように書いて半朱に、渡した。
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外出先で豪雨に遭って、雨宿りに入った精養軒で、半朱が自分が婚約破棄した女の子の父親と偶然席が近くになるシーンっす。半朱はおろおろしちゃうんだけど、達吉は逃げたくないから料理を注文します。でもやっぱり向うは知っていて、半朱にちょっと挨拶して出て行く。で、半朱はちょっとヒステリックになるんだけど
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「ごめんね。僕変になってたんだ」
「この頃ずっと変だよ。もっと落ちつかなくっちゃいけない。僕がそんなに頼りないか?」
「ううん。違うったら。怒らないでよ」
半朱はいくらか無理に食ったらしかったが、冷肉も二切れ残した切りで平らげ、プディングを喜んで、食べた。達吉は半朱の皿の冷肉の残りを肉刺(フォオク)で取って食いながら、
「こんなに腹が減ったことは近頃ないね」
そう言って半朱を見て、微笑った。
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あー。ここ好きだなあ。『恋人たちの森』『枯葉の寝床』にない、親密な空気感があって。戦ったら腹が減る。達吉は無言で喜与吉と戦っていて、それで腹が減ったんだろうな。
冷肉っていうのはうーん、イメージではローストビーフの冷たいやつで、家で夕食のおかずに出るたび「これか??」と思いながら食ってたことを思い出すのう。それは薄い、ばら色した肉で、なんとかってソースをつけて食べるのさ。
プディングってのはプリンだよなー。温かくて乾葡萄が入ってるのはまだ見たことない。あ、自分で作ればいいのか。焼きプリンは学校の調理実習で作ったっけ。温かい焼き立てのプリンは、すげえ美味いっすよ。
さて。料理じゃないんだけど、小説の終りに半朱は水を飲む。目の前で婚約者だった与志子が車に撥ねられて死んで、ショックを受けた半朱が達吉の家でひとしきり泣いた後。
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「生きてた時より可怕いんだ」
「うむ。……注射を打ったから睡れるよ。咽喉乾かないか?」
「氷だけ飲みたい」
「声が嗄れてるじゃないか。よくああ泣けるね」
達吉が湯殿に入り、含嗽(うがい)の洋杯をゆすいだのに水を注いで来て、卓子の上の氷の大きな奴を放り込んだのを、半朱は美味そうに咽喉を鳴らして飲み、再びぐったりと倒れ、達吉の方に手を差し延べた。達吉が寝台の端に腰をかけ、その手を両手にとって軽く持っていてやると、半朱は色のない唇で微笑い、瞼を重そうに、見開いて、達吉を見た。
「やっぱり僕が殺したんだ。……でも達吉も一緒だから。……平気だ」
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ううむ。うがいのコップで水飲むだけでも、美少年と美青年がやるとこうもキレイになるものかいな。いいなあ。半朱の場合、乾いてるのは咽喉じゃなくて、愛情なんだよな。母親のように愛してくれた与志子死んじゃったしー。
そういえば茉莉は半朱のことをこう書いてる。
甘い砂糖菓子を、自分だけで鉢ごと抱えて占領している幼児と、全く異なるところがない。
でもそれは、まるきり茉莉と同じである。ああ何て似てるんだろうねえ。
森茉莉の食事描写はどれもすごく綺麗だ。メニュウがどうこうと言うより、一つの情景、一つの描写が綺麗。そして食べることは愛すること生きること戦うことと密着している。だから森茉莉の小説はエロティックであり官能的であるのだろう。想像の中の贅沢は自分の体験と憧れに裏打ちされた、茉莉にしか書けない贅沢だ。
たとえ自分は「贅沢貧乏」だとしても、精神の貴族を自称していた茉莉。何を書いたとしても自分の小説の登場人物には、お茶漬けたくあんは許さなかったんだろうな。
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