3000アクセス記念企画
森茉莉ことばテスト
というわけで、おかげさまでアクセスも3000を越えたことだし、またちょっとお遊びを企画してみた。
今回は森茉莉の遣っていた表記について、自分がどれだけ知識があるかいうチェックである。私は中学生の頃、
森茉莉の文章に初めて出遭い、感動のあまり「森茉莉言葉辞典」(んな大層なもんでもないが)を作って
しみじみしていたのである。
出題はそれから持ってきたのだが、あの頃やってたことが今また役に立つとは当時の自分を誉めてやりたい
気分だよ。
一応100点満点にしといたが、点数は気にしないでやってみてくれたまい。
では諸君、解説でまた逢おう!<何者?
出題
問題1:以下の単語の森茉莉式の読み方を答えなさい。(各3点)
A・四辺
B・華車
C・遺品
D・比方
E・少時
F・暴風雨
G・瞼
H・尖端
I・踵
J・翳
問題2:以下の言葉を森茉莉式の漢字に直しなさい。(各3点)
A・コップ
B・カアテン
C・ズボン
D・ハンカチ
E・マッチ
F・オーヴァ
G・シガレット
H・ディヴァン
I・ガラス
J・いちょう
問題3:森茉莉式の横文字の表記について正しいものを答えなさい。(各5点)
『スェード』(皮革)
Aスゥエード
Bスエード
Cスウエード
Dスウエエド
『アネモネ』(芥子)
Aアネモウネ
Bアネモウヌ
Cアネモウネ
Dアネモネエ
問題4:次の動詞の森茉莉式の読み方を答えなさい。(各3点)
A・陶酔した
B・愕く
C・稚い
D・逞しい
E・明瞭と
F・異う
G・忽ち
H・弛い
I・故意と
J・嵌める
解答と解説
問題1:各3点
A・四辺(あたり)
B・華車(きゃしゃ)
C・遺品(かたみ)
D・比方(こっち)
E・少時(しばらく)
F・暴風雨(あらし)
G・瞼(まぶた)
H・尖端(さき)
I・踵(かかと)
J・翳(かげ)
解説
とりあえず森茉莉らしい漢字遣いに触れてもらうのが狙いである。「耽美」な雰囲気がお分かり頂けるだろう。
流石は「明治婆さん」茉莉である。私が個人的に気に入っているのは『華車』と『少時』。「きゃしゃ」は「華奢」や
「花車」はワープロにもあるが「華車」はない。すげえ森茉莉的である。「しばらく」というのも雰囲気の出た漢字遣いで
いいよな。お洒落だしさあ。
問題2:各3点
A・コップ(洋杯)
B・カアテン(窓掛)
C・ズボン(洋袴)
D・ハンカチ(手巾)
E・マッチ(燐寸)
F・オーヴァ(外套)
G・シガレット(紙巻)
H・ディヴァン(長椅子)
I・ガラス(硝子)
J・いちょう(公孫樹)
解説
明治の人がみんなこんな漢字を遣っていたのかどうかは不明。ありそうだけどな。森鴎外的といえばそうかも。
外来語の漢字書き換えは歴史を感じるんで個人的にすごく好きだ。外来語はカタカナにしないでもいいのにねえ。
ズボンもコップも「洋袴」とか「洋杯」でいいよ。漢字ってカッコいいじゃん。
問題3:各5点
『スェード』(皮革)
Aスゥエード
Bスエード
Cスウエード
Dスウエエド
『アネモネ』(芥子)
Aアネモウネ
Bアネモウヌ
Cアネモウネ
Dアネモネエ
解説
カタカナ遣わせるとまた森茉莉は独自の表記をしてくれる。森茉莉にとってはスェードは『スウエエド』でなければ
ならないし、アネモネは『アネモウヌ』(茉莉の好きなフランス語らしい)でなければならない。言葉を一つ一つ
「こうでなければならぬ」という意思のもとに書き表していた茉莉はやはり「美の世界の人」である。
問題4:(各3点)
A・陶酔した(うっとりした)
B・愕く(おどろく)
C・稚い(おさない)
D・逞しい(たくましい)
E・明瞭と(はっきりと)
F・異う(ちがう)
G・忽ち(たちまち)
H・弛い(ゆるい)
I・故意と(わざと)
J・嵌める(はめる)
解説
森茉莉の漢字遣いは、意味と漢字がちゃんと合っている。耽美とはいえ、すごくわかりやすいのだ。
「うっとり」するのは陶酔することだし、異なっていれば「ちがう」ものだ。もう誰も遣わないであろうこれらの言葉の
数々は、まるで宝石のように光り輝いて見える。いいのか今みたいな横文字表記ばっかりしてて。漢字とは
日本人の心だよ。こういう言葉は次代に残した方がいいのではないだろうか?