5000アクセス記念企画
森茉莉ドッキリクイズ


何だかとっても快調に5000アクセスになってしまった。ああもうこんなに森茉莉ファンがいたなんてうるうる
これからもがんばって森茉莉マニア道を突っ走っていくことであるよ。集え、同志よ! 
つーワケで、ここでまたちょっとお遊び企画なんぞを。
今回は森茉莉の超オモシロ辛口テレビエッセイ『ドッキリチャンネル』から、森茉莉がどんだけスキキライが激しくて
どれだけ独断と偏見に満ちたヒトであったかとゆーことをクイズ形式にしてみた。
読んでないヒトは今すぐ本屋にGO!して本をGET!だ。筑摩書房から出てる全集の中には1回から最終回までの
全部が納められているが、手軽に楽しみたいなら『ベスト・オブ・ドッキリチャンネル』(ちくま文庫)でも可。
今回も一応100点満点ではあるが、点数よりも森茉莉の偏屈ぶりに目を見張ってくれたまい。

では、詳しくは解説で。


問題1:以下の人物に森茉莉がつけた「あだ名」は? (各3点)
 A・山田邦子
 B・樹木希林
 C・田村正和
 D・ガッツ石松
 E・山田康夫
 F・池田満寿夫
 G・佐藤陽子
 H・遠藤周作
 I・青島幸男
 J・大屋政子


問題2:森茉莉が好きだった人を○×式で答えると? (各3点)
 A・島田洋七(B&B)
 B・松田聖子
 C・タモリ
 D・岸本加代子
 E・山口百恵
 F・萩本欽一
 G・岩下志摩
 H・ビートたけし
 I・久米宏
 J・立川談志


問題3:次の人物評は誰のことを言っている? (各10点)

『彼は半年前くらい偶然、同じハウスの私の部屋の一階下に越して来て、管理人の部屋の壁に張り出してあった
下宿人の名簿の中に私の名前を発見して訪ねて来てくれ、以後たまに遊びに来てくれるが平常(ふだん)も茫洋と
した捉え難い感じである。
むろん詐欺師でも曖昧屋のポン引きでもない、いい青年なのだがなんとなくそんな人物に
間違えられそうな感じはある。悪い奴には二種類あって、一目見ても狡っ辛い、食べ物で言えば唐辛子のようなの
と、どこか掴まえどころのない、茫洋としたのがあって、後者の方が大物である。』

B 
『権勢の保持と利慾にしか頭の働かない人物で、顔ときたら又、農家のおやじで、(今夜は地主どんの家で酒と馳走
が出るが、あまり早く行っても物欲しそうじゃから一寸遅れて行こうわい)と言って出かける感じだ。』


『杉並とか阿佐ヶ谷とか、ああいう町の大通から何度も細い横丁を曲り曲った細い路地の奥にある喫茶店にいて、
薄暗い奥のほうの卓子(テーブル)にいて、集まってくる近所の、これも贋ものインテリの客たちに、(志賀直哉が
どうだとか、太宰治がどうだとか)さもインテリ振って喋っている女給の感じなのが気に入らない。』


問題4:以下の番組の中で森茉莉がキライだったものは? (10点)
 A・銭形平次
 B・ルパン三世
 C・欽ちゃんのドーンとやってみよう
 D・ズームイン朝
 E・忍者ハットリくん



解答と解説

問題1:各3点
 A・山田お邦
 B・奇鬼綺喜(キキキキ、と読む)
 C・田村ショーワ
 D・ガッツ屋
 E・ルパン屋
 F・お腹のすいた馬
 G・太った白猫
 H・チューチャク(周作、がなまって)
 I・青(あお)
 J・太陽の愛娘

解説
森茉莉は勝手にあだ名をつけてはテレビを見ながら掛け声をかけるヒトだったらしい。まるで歌舞伎のひいき筋である。
名前からとって「○○屋」とつけたりするのはいかにも歌舞伎好きらしいが、「ルパン屋」というのはスゴイ。
「お腹のすいた馬」とか「太った白猫」というのはもちろん外見から。
大好きな樹木希林に「奇鬼綺喜」とつけたがり『私が親なら無理にでも改名させるのだが』と迷惑なことを言っていた。
大屋政子もお気に入りで、明るく愛らしい(茉莉にとって)ところが「太陽の愛娘」とつけた所以であろう。


問題2:各3点
 A・○
 B・×
 C・×
 D・○
 E・×
 F・○
 G・×
 H・○
 I・×
 J・○

解説
森茉莉はお笑いの芸人が好きで、特に島田洋七は偏愛といってもイイほどひいきにしていた。萩本欽一たけし
認めていたのに、大嫌いだったのがタモリ。とにかく顔がキライでイモリだとかヤモリだかの同類だと言っていた。
松田聖子は『よくも聖子なんてつけたもんだ』らしい。ブリッコ(死語)ぶりもキライだった。
デビューしたばかりの岸本加代子は茉莉の部屋にも遊びに来た。山口百恵がキライな理由は森茉莉語録にて。
岩下志摩は「私は美人ですの」「夫は問題作ばかり撮る監督ですの」というカオがキライらしい。(すげえ偏見)
久米宏のでしゃばりぶりもキライだったが、もし茉莉が生きていたらニュースステーションもキライだったろう。
茉莉は若い頃の談志に逢って対談している。近くで火事があったと聞いて茉莉が談志に「火事好きですか?」と
尋ねたら、談志は目をめいっぱい見開いて「だあい好き」と答えたそうだ。


問題3:各10点
   A・岸部シロー
   B・大平首相(当時)
   C・いしだあゆみ

解説
ドッキリチャンネル
とはよくつけたもので、人物批評に関しては読んでいるこちらもドッキリしてしまう。
岸部シローは今はあんなことになってしまったが、森茉莉宅を訪問してくれるなぞ優しいところのある人だったのだ。
森茉莉という人は他人の悪口を言わせると立て板に水のごとく筆が走るのであった。大平首相評もスゴイねえ。
政治家も美男でなければならぬ、という森茉莉流の美学があったらしい。歴代首相の中では吉田首相が好きであった。
「インテリぶってる」と大不評だったいしだあゆみ。そもそも茉莉のごひいきだったショーケンが彼女のどこが好きか聞かれ
インテリだから好き」と言ったことからきているようだ。

ご贔屓の人物についての批評、観察、比喩の能力も特筆モノで、長島監督(『90番』というのがあだ名)については
『負けてくると、中学生の男の子が降誕祭(クリスマス)に万年筆を買ってくれると約束した叔父さんが、それを忘れたと
言った時にするような顔
をする。勝ってくると唇を一文字に結び、腕を組む。そうして(うん、いい)という表情をする。』
とある。愛情のある、いい人物評であることだねえ。


問題4:(10点)
   D・ズームイン朝

解説
徳光和夫がお嫌いだった森茉莉は、この番組にもよく毒づいていた。詳しくは森茉莉語録を参照のこと。
大川橋蔵の「銭形平次」は再放送も本放送も、主題歌からキッチリ見て一緒に歌うほどのファンであった。
森茉莉はアニメも好きで、よく見ていた。「ルパン三世」も「ハットリくん」もお気に入り。ハットリくんは『にん、にん、の
二つ目のにん、が一寸擦れているところがいい』とか『ニニニニン、ということもあるがそれもまたいい』とかベタ誉めだった。
マンガ雑誌も読んでいて、ビッグコミックの熱烈な愛読者。「ゴルゴ13」も大好きという、大変に変わった75歳である。
『劇画は文学がやるべきことをやっている』という評もあったっけ。(おお、流石は文学者!


おまけ
「ドッキリチャンネル」は森茉莉の偏見と独断と思いこみと想像のローリング戦法で成立していた。そのせいで「訂正」とか
「全部取り消し」とかいう騒ぎになったりする。しかし茉莉のやりたい放題も75歳の高齢という部分でオールOKになって
いたのだろうなあ。……茉莉は気に入らないだろうけども。
茉莉の見事なローリング戦法の見本を最後に紹介しておこう。読んでる方もぐるんぐるんである。

 『最近皇太子殿下が、中曽根総理大臣は止めた方がいいと、言われたそうだが、皇室の方というものはそういうご発言
 はなさらぬものだと思う。美智子妃から出たご意見ではないかと、思われる節がある。そのご発言については何の
 反響もなかった。当然のことである。』