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森茉莉辞典(まだ未完)
とりあえず森茉莉の作品に関して辞典を作ってみようかと思ったのだが、予想以上に大変な仕事なのであった。
だもんで、まだ完成はしていないのである。ぼちぼちやっていこうと思うんで、気を長く持ってくれると有り難い。
リクエストはメールで。
「ボッチチェリの扉」=「扉」
「恋人たちの森」=「恋人」
「枯葉の寝床」=「枯葉」
「日曜日には僕は行かない」=「日曜日」
【あ行|か行|さ行|た行|な行|は行|ま行|や行|ら行|わ行】
あ行
アラン・マイヨ [枯葉]
オーギュスト・マイヨの息子。大森の家でボアを飼う。
アルジェ [枯葉]
「特殊な人間」の集まる酒場。レオはここでギランと出逢い、オリヴィオに逢った。
アントワン・ド・ギッシュ [恋人]
ギドウの父。故人。
伊藤佐美 [日曜日]
24歳。ハンスの姉。少年のような美少女。両親が早くに死んでしまったハンスの唯一の肉親。結婚して九州にいる。
伊藤半朱(ハンス) [日曜日]
杉村達吉の愛弟子で愛人。達吉の文壇での華やかさに惹かれて、自伝的な小説を持って訪ねてきた。美貌で、女性的な性格。八束与志子と知り合い、ふわふわと恋愛し、流されるままに婚約。達吉がいなければ、それなりに幸せな生活を送っていたに違いない。達吉に婚約破棄を指示され、またふらふらとそれに従ってしまう。良く分からない性格をしているが、総ては美貌で誤魔化している。与志子の事故死を目撃し、ショックを受けるところはまるで子供のようだ。小説はダメだが数学の才能がある。
岩淵佐喜江 [枯葉]
ギランの愛人。ギランを忘れるために香港に行ったりしたが、やはり忘れられず、ギランを深追いしていた。
岩淵義逸 [枯葉]
貿易商。佐喜江の夫。
植田邦子 [恋人]
48歳になる人妻。ギドウの愛人。若さと美貌を失いつつあり、ギドウの心が自分から離れていくことに焦りと憎悪を覚えている。最近急速に太り始めた。パウロには「凄い奥さん」と言われている。最後の愛人であるギドウへの執着は常人の理解を越えたところがあり、ついにギドウを撃ち殺してしまう。自分も後を追おうとしたが叶わず、ふらふらとギドウのもとを立ち去ったが、警察に捕まるか自殺したかしたのであろう。
オーギュスト・マイヨ [枯葉]
ギランの父、オダンの友人。厚木町の家でギランからボアを預かり、大森に住む息子のアランにボアを託す。
オリヴィオ [枯葉]
フルネームは陶田オリヴィオ。日・伊の混血。レオを拉致し、監禁して鞭の味を教えたサディスト。麻薬患者で、麻薬の密輸事件で陳裳雲と共に警察に逮捕された。
か行
梶達郎 [扉]
田窪信吉の教え子。麻矢の二番目の恋人。キザで女の扱いが上手く、麻矢の風呂を覗いたりした。麻矢から処女を奪った後、別れる。麻矢を愛していたのだが、「結婚」というものを死ぬほど嫌っていた。カザノヴァがモデルらしい。
金丸豊子 [恋人]
ロオゼンシュタインに勤める店員。パウロの同僚。
神谷敬里 [恋人]
パウロの本名。
カメ [扉]
田窪家の飼い猫。全身の毛が長く、色は真っ黒。金沢の方言でトカゲを「かめちょろ」といい、そこから麻矢が命名した。
木谷ジョリイ [扉]
田窪家の下宿人で、進駐軍相手の娼婦(?)。37,8で両親のどちらかがスェーデン人。大柄で顔の長い白人の美人顔だが、だいぶくたびれている。日本の女のような見栄はないかわり、ヒステリィも酷い。
ギドウ・ド・ギッシュ(義童) [恋人]
フランス人とのハーフだが、外見はほとんどフランス人。37,8の美丈夫。インテリで贅沢で清潔で淫蕩。東大講師。翻訳もする。パウロを拾って贅沢三昧、甘やかし放題の情人にする。「葡萄祭り」というエッセイ集を出し、椿山荘で出版記念パーティをする。植田夫人という愛人がいる。パウロとの仲に嫉妬した夫人に銃で射殺されてしまう。ジャン・クロード・ブリアリがモデル。
ギラン・ド・ロシュフコオ(義蘭) [枯葉]
父は南フランスの貴族。母は健康な日本人の給仕女。38歳3ヶ月の美丈夫。両親はすでに亡く、莫大な財産を執事に管理させている。仏文の助教授で、中堅作家。レオを拾い、情人にする。金にものをいわせ、レオに宝石を買い与えたりする。レオがオリヴィオに鞭打たれた時から何かが狂い始め、ついにはレオを射殺するところまで追いつめられてしまう。自分も青酸カリで後追い自殺する。ギドウや達吉より神経が繊細で、一途だったともいえるが、それかまた哀しい。
さ行
佐伯譲 [扉]
麻矢が最初に愛した男性。経済学者の息子。横浜のキャバレ通いで麻矢を哀しませる。絵美矢に疎まれ、そのために麻矢から離れる。麻矢の眉墨のキャップをもらい、鉛筆に嵌めて大切に内隠しにしまいこんだ。
坂井さち子 [恋人]
ロオゼンシュタインに務める店員。パウロの同僚。
佐山 [恋人]
ギドウの中学時代からの無二の親友。九州在住。ギドウの、植田夫人への手紙を転送してくれたりする。
雀(ジャック) [恋人]
ギドウの前の恋人。出版記念会の客に一言噂されただけだが、きっと美少年であったに違いない。何で別れたのだろう。
珠里(ジュリア) [恋人]
ギドウの母。外交官の娘。田園調布に住んでいるが、ギドウとはめったに逢わない。
杉村達吉 [日曜日]
中堅作家。フランス人のような癖の強い美貌の持ち主。37歳。ハンスを愛し、結婚の決まったハンスを無理矢理取り戻してしまう。常識を馬鹿にし、平凡な人々を見下すような傲慢な部分もある。与志子が目の前で事故死してしまうが、それも達吉にとっては自分とハンスの恋愛の贄のようなものであった。「パウロ」「サドゥの後裔」という小説を書いて発表している。内容は、自分のような男と美少年とのサディズムの話。
ゼロッテ [枯葉]
レオの洗礼名。ギランが洗礼を受けさせた。
た行
田窪絵美矢 [扉]
麻矢の母。麻矢からは「老醜女」と言われる。田窪の家を下宿にして金を得ているが、麻矢を金持ちと結婚させて家を建て直すという野望を持っている。吝嗇で見栄っ張りで、誰からも好かれていない。髪の毛が灰色の三色。
田窪湖太郎 [扉]
田窪家の長男。健康で常識的な男らしいが、特に特徴のない平凡な人。
田窪信吉 [扉]
由里の下宿先の主人。東大の湖沼学の教授。故人。生前は酷い水虫で、大学でも有名であった。美男子で、勲章をもらうほど偉い人手だったようだが、そんな人が何故絵美矢と結婚したのかとっても不思議。
田窪節子 [扉]
田窪湖太郎の妻。麻矢の義姉。平凡な主婦らしい。クリスマスパーティではアルコールを飲んで顔を赤くしていた。
田窪沼二 [扉]
田窪家の次男。誰とも口をきかず、家の中を飄々と漂っている。手足の長い、神経の鋭い美青年。麻矢をとても愛している。周囲には精薄だと思われているが、そうでもないらしい。「サイコ」のアンソニー・パーキンスがモデルらしい。
田窪麻矢 [扉]
瑞々しい健康な美少女。コケティッシュで小悪魔のような魅力がある。気まぐれで猫舌。舌足らずなものの言い方をする。田宮亮太と婚約するが、その夜、パサデナに車をぶつけられて死んでしまう。
田宮良吉 [扉]
亮太の兄。除村敬三の友人。除村と偶然電車で逢い、弟を紹介した。
田宮亮太 [扉]
麻矢の婚約者。初めて逢った時から麻矢に運命的なものを感じる。美男子ではないが、暖かい心の持ち主。「技術はまだまだだが、構想は天才的」と言われる建築家。イブの夜に麻矢との婚約を発表するが、嫉妬したパサデナに車をぶつけられて死ぬ。
団 匡(きょう) [扉]
由里の弟。妻と四人の子供を抱え、由里の通帳と印鑑を度々借りに来る。由里は暗く怒っている。
団 精吉 [扉]
由里の父。故人。知らないもののない実業家。由里の生活費(36万円の貯金)はこの父の遺産であった。
団 由里 [扉]
「ボッチチェリの扉」の主人公。田窪家に下宿していたが、麻矢の死を知って取るものも取りあえず田窪家から逃げ出す。麻矢と沼二を愛し、絵美矢を嫌っていた。定職につかず、貯金を崩しながら毎日下北沢に出かけている。どう見ても森茉莉本人がモデル。
陳裳雲(ちんしょううん) [枯葉]
中国人の宝石商。ギランはお得意様。ギランがレオにダイヤを買って与えた。次の注文はピジョン・ブラン(極上のルビー)。レオがオリヴィオの車から降りるのを目撃し、ギランに告げ口した。
な行
長塚花 [日曜日]
達吉の家に通ってくる家政婦。達吉とハンスを訳アリと見ている。達吉は金払いはいいが、詮索を嫌うので詳しくはわからない。
梨枝(なしえ) [恋人]
パウロの恋人。パウロからは「リエ」と呼ばれる。堅気の娘。「どっから見てもおかしくない」顔をしている。パウロとはロオゼンシュタインの隣の「モナ」(喫茶店か?)で知り合った。パウロとギドウとの仲に不安なものを感じる。母性本能が豊か。
似内(にたない) [扉]
田窪家の下男。あまり仕事もせずにふらふらしているが、絵美矢の愛人だったらしい。由里がすごく嫌っていた。
沼田礼門 [恋人]
黒いライオンのような男。パウロに目をつけ、何かとつきまとう。ギドウが死んだ後、町でふらふらしているパウロを見つける。おそらくパウロはこいつの情人となって同じような生活をするのだろう。それでいいのか?
は行
パウロ(巴羅) [恋人]
本名は神谷敬里。「パウロ」は恋人のギドウがつけた名。17,8の美貌の少年。生来の怠け者で、学業も仕事も向いていない。ただ愛玩され、可愛がられるために生きているような少年。愚連隊の仲間に入りかけていたところを、ギドウに拾われる。何となく梨枝と付き合ったりする。どうも物事を真剣に考えたり、思いつめたりすることができないたちらしい。ギドウが死んでいるのを見つけた時も驚いて逃げ、泣きもせずにそこらをふらふらしている。側にいたら、思い切り肩をゆさぶってやりたい。
パサデナ [扉]
木谷ジョリイがベオ・マリの次に見つけた情人。白人と黒人の混血のGI.田窪家で麻矢に逢い、深い愛情を抱く。しかしその愛情は麻矢に届くものではなく、麻矢が婚約を発表したイブの日に、ジイプをぶつけて麻矢たちと無理心中する。やることは無茶苦茶だが、一途な、可哀相な人であった。
ピータア [扉]
敗戦のすぐ後で田窪家が下宿させた2人の米兵のうちの1人。麻矢の美しさに惹かれたらしく、本国へ帰ってからも贈り物をしてくる。金持ちの息子らしい。送られてくる高価な贈り物は、田窪家の女たちの楽しみだった。
フィリップ [枯葉]
ギランの莫大な財産を本国で管理している執事。
ベオ・マリ [扉]
木谷ジョリイの情人。ジョリイが前の情人にもらったハンカチを大事にしているのを知り、嫉妬して来なくなったりする。
ベラミ [日曜日]
ハンスと達吉が落ち合う場所にしていた喫茶店。本郷通りにある。
ヘンリイ [扉]
木谷ジョリイの以前の情人。ジョリイにハンカチをプレゼントし、ジョリイはそれを大事に持っていた。
森(ボア) [枯葉]
ギランの愛犬。グレート・デン種の大きな犬。レオが嫉妬し、嫌い、密かに苛めたりするので孤独になっていった可哀相な犬。ギランはオーギュスト・マイヨに犬を預けるが、犬はやがて死んだ。犬はギランを慕い、ギランも犬を愛していたのだが、レオが2人を引き裂いた。可哀相なボア。私はレオが嫌いである。
ま行
茉莉 [恋人]
下北沢の駅に近い場所にある酒場。ギドウとパウロが出逢った。
水車小屋(ムラン) [枯葉]
銀座5丁目の裏通りにある時計店。ギランがレオに丸くて宝石のついたナルダンの時計(4万7千円)を買い与えた。
や行
八束紀一 [日曜日]
八束家の長男。与志子の兄。結婚してロンドンにいる。
八束喜与吉 [日曜日]
与志子の父。52,3歳。一級の事業家。ハンスが婚約破棄した後、偶然ハンスとレストランで逢う。何もなかったようにハンスに「暇な時、また来たまえ」と言う。その姿が思いがけず達吉にダメージを与えた。しかし、ハンスのような男に娘をやるのは不安ではなかったのだろうか?
八束須賀子 [日曜日]
与志子の母。ハンスから婚約を破棄するという手紙が届き、達吉の家を訪ねてくる。何とか婚約破棄を撤回して欲しいと願う須賀子に対し、達吉はもっともらしいが誠意のない対応をする。須賀子はカッとして達吉をなじるが、それもいなされてしまい、がっくりして帰っていく。平凡な奥さんだが、何だかとても可哀相である。
八束与志子 [日曜日]
ハンスの婚約者。18歳。子供のような美少女だが、母性的なものを持っていて、盲目的な愛情をハンスに捧げる。婚約したもののハンスは達吉のもとに戻り、式の直前になって婚約を破棄されてしまう。以来、死んだように家に篭りきりになるが、気晴らしに出かけた先でハンスを見かけ、ショックで立ち尽くしたかと思うと車に撥ねられてしまう。達吉の恋の犠牲になった、あまりにも報われない、短い一生である。
山川京次 [枯葉]
レオの通称。愚連隊の頭目が、昔の恋人の名を男名前にしてつけた。
山内千勢子 [扉]
田窪家の下宿人。事務員風だが、社長と関係があるらしく、贅沢な間借りをしているらしい。
除村(よけむら)恵麻 [扉]
田窪家の長女。麻矢の姉。普通の奥さんだが、麻矢を愛している。麻矢の婚約を母に説得する。
除村敬三 [扉]
麻矢の義兄。恵麻の夫。麻矢の婚約者の亮太は、友人・田宮良吉の弟。
ら行
ルイ(路易) [恋人]
ギドウの弟。パウロのしているダイヤのペンダントは、ギドウがルイからくすねて与えたもの。
レオ [枯葉]
ギランの情人。17,8の美少年。成城学園に籍を置いているが、授業はさぼりがち。ギランに甘やかされ放題の暮らしをしている。頭は悪くないのだが、どこか酷薄。天性の魔を持っている。オリヴィオに拉致され、鞭で打たれて密かにマゾヒズムの芽が芽生える。嫉妬したギランに撃ち殺され、枯葉の寝床に寝かされる。可哀相だが、遅かれ早かれそういう運命であっただろう。
ロオゼンシュタイン [恋人] パウロが運転手をしている店の名前。多分洋菓子の店だろうと思う。モデルは「ユーハイム」か?森茉莉がパリにいた時に通っていた店の名前でもある。「薔薇色の石」という意味。
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