森茉莉著作リスト


自分が持っているもの、読んだものをもとに、こんな感じでリスト作りました。もし何か落ちていたら教えてくれると有り難いです。メールはこちら
コメントとか内容紹介もちょこっとつけましたが、すんごく乱暴なんでコレを鵜呑みにせずに是非原本を読んでくださいまし。
「森茉莉関係本」として、森茉莉にまつわる本や、身内のエッセイも後ろに載せてみました。森茉莉の妹・小堀杏奴のエッセイは、まだ未読です。読んだら感想とコメントを載っける予定。

というわけで、小堀杏奴「晩年の父」読了。コメント載っけました。結構感動モノです。


森茉莉全集(筑摩書房)全8巻
 1/父の帽子・濃灰色の魚
 2/恋人たちの森・贅沢貧乏
 3/私の美の世界・記憶の絵
 4/甘い蜜の部屋
 5/マリアの気紛れ書き
 6/ドッキリチャンネルT
 7/ドッキリチャンネルU
 8/マドゥモァゼル・ルウルウ(ジイプ夫人の戯曲を翻訳したもの。刊行時には与謝野晶子が推薦文を書いた)

森茉莉 ロマンとエッセイ(新潮社)全6巻
ロマン T/マドゥモァゼル・ルウルウ
     U/恋人たちの森
     V/甘い蜜の部屋
エッセイT/父の帽子
     U/贅沢貧乏
     V/マリアの気紛れ書き

恋人たちの森(新潮文庫)
収録作品
「ボッチチェリの扉」 
団由里(ユリア)は、田窪絵美矢の貸す部屋に下宿していた。田窪家の末娘、麻矢は若く美しい、コケティッシュな魅力の持ち主であった。麻矢は2人の男と恋愛した後、亮太と婚約する。2人の婚約が発表されたクリスマス・イブの夜、麻矢に横恋慕した黒人のハーフの米兵。パサデナにジイプをぶつけられ、3人とも死んでしまう。

「恋人たちの森」
ハーフのギドウは東大講師であり、エリートの美丈夫。豪奢で退廃的な彼の恋人は、パウロと名づけた美少年だった。ギドウは黄昏の女である植田夫人とも不倫関係にあり、パウロは梨枝という若い恋人もいる。ギドウとパウロの恋愛が死の影と隣り合わせになっていくうち、嫉妬に狂った上田夫人はギドウを射殺してしまう。

「枯葉の寝床」
東大教授のギランは情人である美少年のレオを深く愛している。しかしレオは天性の小悪魔であり、愛されることにしか才能のない少年だった。ある日、レオはオリヴィオというサディストの男にさらわれ、鞭で打たれる。それを知ったギランはレオがマドヒズムに目覚め、オリヴィオに惹かれていくのを強く恐れる。森の家にレオを監禁したギランだが、2人の愛情は日に日にSMの度を強め、ついにギランはレオを射殺し、自分も後を追って死ぬ。

「日曜日には僕は行かない」
小説家の杉村達吉は、半朱(ハンス)という美しい少年を愛弟子にして可愛がっていた。しかしハンスは実業家の娘、与志子の愛を受け入れ、婚約する。達吉はハンスの裏切りを責め、婚約破棄を命じる。達吉の指図どおりハンスは与志子に別れの手紙を出し、達吉と同居する。傷ついた与志子は偶然町でハンスを見掛け、2人の目の前で車にひかれてしまうのだった。


甘い蜜の部屋(ちくま文庫)
森茉莉が10年がかりで書き上げた長編小説。泉鏡花賞受賞作。小悪魔ような美少女、藻羅(モイラ)と父親との深い愛情が描かれている。(実は私は途中まで読んで、その濃厚さにリタイアしてしまったのである。気力と体力が充実してないと読めない本である)


贅沢貧乏(新潮文庫)
収録作品
「贅沢貧乏」
T・贅沢貧乏/森茉莉の生活エッセイ。
U・紅い空の朝から… /「恋人たちの森」などの小説についてのエッセイ。
V・黒猫ジュリエットの話/飼い猫・ジュリエットの目から見た森茉莉を描いた小品。
W・マリアはマリア/森茉莉の生活について。自分のことを「魔利」として第三者的に描いている。

「青い栗」
不幸な結婚時代に題材をとった短編。若き日の茉莉と幼少の息子たちとの生活を描く。

「気違いマリア」
マリアの生活についてのエッセイ風の小品。

「降誕祭パアティー」
三島由紀夫に招かれて行った、クリスマスパーティでの出来事。

「文壇紳士たちと魔利」
文壇で活躍する小説家との交際を描いたもの。室生犀星、吉行淳之介、深沢七郎などが出てくる。

私の美の世界(新潮文庫)
収録作品
「貧乏サヴァラン」
「夢を買う話」
「あなたのイノサン、あなたの悪魔」
「反ヒュウマニズム礼賛」
「ほんものの贅沢」


記憶の絵(ちくま文庫)
熊本日日新聞に連載されたコラム。森茉莉の幼少期の思い出が109編集められている。

魔利のひとりごと(筑摩書房)
森茉莉のエッセイに、佐野洋子の絵がついた本。

貧乏サヴァラン(ちくま文庫)
筑摩書房から刊行された「森茉莉全集」から、食にまつわる短編を集めて編集されたもの。「ドッキリチャンネル」から精選された「ドッキリ語録」もある。編者は早川暢子氏。

私の美男子論(筑摩書房)
大倉舜二の写真に森茉莉の文章がついたもの。お気に入りの沢田研二や長島茂雄も入っている。


マリアの気紛れ書き(ちくま文庫)
エッセイ集。後の「ドッキリチャンネル」へと続く毒舌が冴え渡る。

ベスト・オブ・ドッキリチャンネル(ちくま文庫)
「ドッキリチャンネル」から森茉莉の好悪に基づく人物描写を抜粋したダイジェスト版。編者は「森茉莉のテレビ評に感動して」コラムニストになったという中野翠氏。


森茉莉周辺本

贅沢貧乏のマリア(角川書店)群ようこ・著
森茉莉を愛する作者が、「結婚生活」や「料理自慢」などのテーマにそって自分と森茉莉を比較してゆくエッセイ集。森茉莉の人となりを紹介しながらも森茉莉べったりではなく、自分自身についても語る。そのスタンスの取り方が上手で、「群ようこの森茉莉」に仕上がっている。森茉莉を全く知らない人でも取っ付きやすい。

ぼやきと怒りのマリア−ある編集者への手紙−(筑摩書房)小島千加子・編
森茉莉と20年間余を共に過ごした編集者が、森茉莉からの手紙を集めたもの。この172通の手紙を読んでいくと、森茉莉という人がいかに「大変な人」であったかがわかる。いくら作品が好きだとはいっても、森茉莉が直接の知り合いだったら、たまったものではないだろう。森茉莉という人は確かに世間知らずのお嬢様だった部分もあるが、なかなかどうしてしたたかで意固地な面があることがわかる。やはり一筋縄ではいかない人だ。装丁がすごくキレイ。

父親としての森鴎外(ちくま文庫)森於菟
森茉莉の異母兄であり鴎外の長男であった森於菟(おと)のエッセイ。後妻のしげと折り合いが悪かったと言われているが、それでも父を深く慕っていたし父・鴎外も於菟を可愛がっていた。森家の四兄弟の中では、やはり一番「まとも」で「真面目」な人だと思う。森家の人間関係と思い出が、冷静な、控えめな筆致で書かれているもの好感が持てる。

鴎外の子供たち(ちくま文庫)森類
森家の末っ子、類の書いたエッセイ集。この人は自由奔放というか無茶苦茶というか甘やかされすぎというか、とにかく型破りなタイプである。絵を習いに留学するがものにならず、本屋を営むがそれも性に合わなかったらしい。森茉莉や杏奴のことも暴露的に書いてそれゆえ姉2人から義絶された。率直な物言いはいいが、あまり知性は感じられないような気がする。

晩年の父(岩波文庫)小堀杏奴
森茉莉の6つ下の妹、杏奴が書いた子供の頃の思い出。杏奴は画家の小堀氏と結婚し、二児をもうけて幸せに暮らした。茉莉と比べるとこの人は、実に素直に真面目にちゃんと育ったものだと感心する。茉莉が父・鴎外を恋人のようにひたすら愛したのとは違い、杏奴はあくまでも優しくて立派な「父」を慕っていた。たとえ愛する父であっても、きちんと批判すべきことは批判している。母と祖母との確執は、鴎外の異常なほどの親孝行の念から出ていることも指摘している。同じ嫁いだ女性として、母に同情的であるのも茉莉とは違う点だろう。すっきりした簡潔な文章でとても読みやすい。鴎外の死の辺りなど、心を動かされる内容である。
夢見る少女の茉莉としっかり者の杏奴……それは「父の死」を見ていたかどうかで分かれてしまったのかもしれない。ともかくそれくらい鴎外と言う人は子供たちの人格形成に影響した人なのである。